築年不明(60〜70年?)の木造平屋、火事被害建物でした。
敷地約80坪に建つ古民家で、周囲は石垣、接面道路は幅約1.5mの車両の進入が出来ない細い市道で、いかにも呉らしい?(^-^; 現場条件でした。
夏の暑い時期の施工となり技術と体力、そして持久力が必要な難易度の高い現場でした。
全焼の火事被害にあった建物で、焼失により建物と家財や屋内にあった物が混在していた為、施工では、建物解体の前に、まず屋内の焼失物を片付ける作業が必要となりましたが、火事後の建物は非常にもろくなっており、片付けの際に焼け残った柱や梁が崩れてくることが考えられた為、先にもろくなった柱や梁を取り除きその後、屋内物搬出、再度基礎や残りの本体解体作業を行いました。
建物外周解体、屋内物搬出、建物本体解体と進む流れでしたが、本体解体中にも灰に埋まった屋内物が出てきたりして、解体と屋内物搬出の繰り返し作業となり、屋内物搬出業者様との連携が必要となる現場でした。
焼失により屋根に人が登れなくなっていたので、梁や柱を一本づつワイヤーを使い引き倒したり、チェーンソーで細かく切断したりして、建物のほとんどを手作業で解体することとなりました。
施工手順としては、廃材を仮置きする敷地内の庭や空きスペースを整理するところから始まり、スペースが出来ると、建物を人力で少しづづ解体していき、概ね解体作業と現場内での廃材の分別が済んだところで搬出開始となりました。
搬出作業は、現場から約3m下の崖下に小車を待ち受け、その崖に搬出用の仮設滑り台を設置し、そこまで廃材を手作業で運び、滑り落とし積込み小車で約50m先の2tダンプに何度も往復し2tダンプがいっぱいになると処分場へ運搬する繰り返しでした。
工事規模から考えると工事代金が割高となったのは、地形による施工条件の悪さと、火事により屋根材や壁、家財なども一緒に燃えていたため瓦礫や不燃物、燃えるゴミ等処分の際の分別にも多くの時間がかかった事と、灰まじりの廃材の処分がかなり高額となり、工事代金の多くを処分費に充てる事が要因でした。 |